Japanese
English
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物
ノルアドレナリン
Noradrenaline
高柳 一成
1
,
佐藤 光利
1
Issei Takayanagi
1
,
Mitsutoshi Satoh
1
1東邦大学薬学部薬理学教室
pp.441-444
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900247
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
「概説」
アドレナリン作動性神経は他の神経同様,興奮を伝達するために神経の脱分極によりCa2+が神経細胞内へ流入し,これによってノルアドレナリン(NA)が遊離される。NAの放出量は電位依存性のL型Ca2+チャネルを通って流入したCa2+量に依存している。また,NA遊離機構はαおよびβアドレノセプター(アドレナリン受容体)さらにアデノシン受容体あるいは細胞内サイクリックAMP(cAMP)などのセカンドメッセンジャーによって制御されている。
一方,アドレナリン作動性神経の興奮によって放出されたNAは,モノアミンオキシダーゼ(MAO)やカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって代謝を受けるかあるいはアドレナリン神経に再度取り込まれるかして不活性化される。このNAの取り込みにはエネルギーとしてATPが必要でNa+に感受性であることからキャリアの存在が示唆され,キャリア説が支持されている1)。最近,ヒトNAトランスポーター蛋白のアミノ酸配列がR. D. Blakelyらにより解明された2)。
Copyright © 1991, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.