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第7回血管神経伝達機構国際シンポジウム
斉藤 亜紀良
1
Akira Saito
1
1筑波大学基礎医学系薬理学
pp.604-606
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900155
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血管神経伝達機構国際シンポジウムは,3年ごとに開催されている国際薬理学会議(IUPHAR)のサテライトとして,現バーモント大学のJ.Bevan教授が中心になって21年前より行われている。血管の調節機構の研究はその成果が循環器系疾患の医薬品開発に関わりやすいため,基礎的研究にもかかわらず多くの生理学薬理学の研究者が興味を持ち,最近では生化学,分子生物学の進歩に伴いこれらの手法も取り入れられるようになっている。今回の会議は西ドイツのボンで1990年7月8日~11日まで行われた。参加者は21カ国より250人,シンポジストによる講演と一般演題の発表が行われた。血管における神経の伝達機構がシンポジウムの主題であり今回はさらに,血管内皮細胞による調節,レニンアンジオテンシン系の最近の知見,血管平滑筋機能の新しい測定法といった周辺の話題や血管平滑筋における細胞内シグナル伝達機構,生理的病態生理的な調節機能,シナプス前調節機構,神経ペプチドの血管作用などのテーマがシンポジストにより概説された。これらのほかに一般演題の発表はポスター展示とともに小グループでの議論が行われた。ボンは東西ドイツの統一までの仮の首都ということで規模のさほど大きくない街であり,ベートーベン生誕の地でもある。シンポジウムは街の郊外にあるMaritimHotelで行われた。このホテルは周囲の環境が静かであり多くの参加者もここに滞在した。
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