話題 第27回国際生理科学会議衛星シンポジウム印象記・1
温血動物中枢神経系におけるイオン泳動と伝達物質機構のシンポジウム
山本 長三郎
1
1金沢大学・生理学教室
pp.489-490
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903224
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パリの第27回生理科学会議の衛星シンポジウムの一つとして,表記の会が7月28日から30日までの3日間,ケンブリッジのチャーチルカレッヂでKelly教授が主催して行われた。シンポジウムは総勢150名以上が参加し,発表も100題を越える盛会であった。3日間朝9時から晩6時頃まで日程が全部詰まっていて,しかもその前後に朝食やディナーがあり全体としてかなり強行軍であった。アブストラクトだけでも300頁を越える大冊となり,多くの人を網羅した利点とまとまりが少ないという欠点を合わせもった会となった。
シンポジウムは後に説明するように7セッションから構成され,各セッションをどのようにすすめるかは,各座長の自由に任せるというやり方である。一般的には,各座長が40分間にわたってセッションをめぐる問題点と参加者からすでに提出されていたアブストラクトの概要をまとめて説明する。その後,各参加者がスライドを2枚ぐらい使って3〜5分間話す。セッション参加者が全部話し終ってから全体討論を1時間ぐらい行うという方式がとられた。この方式の成否はトピックスに適合した発表者を集めることと,事前に綿密な打合わせを発表者との間に行い,発表順などをアレンジする座長の努力にかかるところが大きい。今度のシンポジウムでは必ずしもうまく運んだともいえないが,しかし成功した場合には能率よく会が進むので,日本でも取り入れてみたい方式である。
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