Japanese
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特集 新組織学シリーズⅤ:脂肪
Ⅲ.脂肪組織由来ホルモン
栄養状態のメッセンジャー“レプチン”—発見,生理,病態から臨床への展開へ
“Leptin”:A messenger of nutritional state
竹田 勝志
1
,
田中 智洋
1
Takeda Katsushi
1
,
Tanaka Tomohiro
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学分野
キーワード:
レプチン
,
メラノコルチン
,
肥満
,
視床下部
,
食欲
Keyword:
レプチン
,
メラノコルチン
,
肥満
,
視床下部
,
食欲
pp.574-578
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201978
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レプチンは,著しい肥満を呈する自然発症肥満モデルマウス,ob/obマウスの原因遺伝子の解析により,1994年に同定されたホルモンである。レプチンは,もっぱら脂肪組織から分泌され,その作用部位は主に視床下部弓状核のレプチン受容体発現ニューロンであり,食欲抑制とエネルギー消費の亢進の結果,体重減少をもたらす。しかし,肥満症患者や食事誘発性肥満モデル動物においては,体脂肪量の増加を反映した高レプチン血症を呈する一方,これを上回る量のレプチンを投与しても,摂食抑制や体重減少が生じないことから,レプチン抵抗性を生じていると考えられてきた。本稿では,レプチン作用の機序,生理,病態ならびに臨床的意義について解説する。
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