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特集 未病の科学
Ⅰ.未病の数理研究
変分自己符号化器を用いた細胞状態遷移のゆらぎ解析と未病研究への応用
Fluctuation analysis of cell state transitions using a variational autoencoder and its application to the study of pre-disease states
島村 徹平
1,2
,
小嶋 泰弘
2
Shimamura Teppei
1,2
,
Kojima Yasuhiro
2
1名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野
2東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野
キーワード:
RNA velocity
,
シングルセルトランスクリプトーム
,
潜在変数モデル
,
細胞状態遷移の不確実性
,
細胞状態遷移のゆらぎ
,
細胞運命決定
Keyword:
RNA velocity
,
シングルセルトランスクリプトーム
,
潜在変数モデル
,
細胞状態遷移の不確実性
,
細胞状態遷移のゆらぎ
,
細胞運命決定
pp.118-122
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201655
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未病とは,“発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態”を指す言葉である。近年,計測技術の進展により,ゲノムや遺伝子発現などの分子情報,イメージングによる画像情報など,多岐にわたる生命のデジタル情報の定量的な取得が可能となりつつある生命医科学分野では,未病を数理の観点から解明しようとする研究の重要性が高まりつつある。本稿では,特に,シングルセルトランスクリプトームデータから,われわれの体を構成する各々の細胞がとり得る状態が疾病の発症・進展を経てどのように移り変わっていくか,その変化の背後にあるイベントは何かを調べるRNA velocityモデルについての最新の研究動向を,筆者らが開発した細胞状態遷移のゆらぎ解析を交えて紹介する。更に,超早期の疾患の予測・予防や未病検知に向けて,これらの数理的アプローチがどのように活用できるかについて述べる。
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