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特集 生物物理学の進歩—生命現象の定量的理解へ向けて
Ⅲ.個体,進化レベル
細胞極性と仮足の動力学コンセプト
Dynamical systems concept of cell polarity and pseudopod
澤井 哲
1
Sawai Satoshi
1
1東京大学大学院総合文化研究科相関基礎科学系
キーワード:
細胞運動
,
数理モデル
,
仮足
,
極性
,
細胞性粘菌
Keyword:
細胞運動
,
数理モデル
,
仮足
,
極性
,
細胞性粘菌
pp.245-249
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201356
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真核細胞の運動性は,アクチンフィラメント形成による伸長と,ミオシンによる収縮を起源とする。これらのフィラメントが細胞膜直下において空間的に,時間的にどのように分布しているかが,細胞形状に大きく反映される。特に,細胞性粘菌,好中球などの単独遊走性能の高い細胞型では,極性形成を弱めると仮足が出現しやすくなり,逆に仮足形成が促進されると極性が強まるという関係が共通してみられる。本稿では,そのような自律的な変形ダイナミクスの性質と,その数理的表現の概略を紹介する。
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