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特集 ビッグデータ時代のゲノム医学
Ⅳ.骨・関節疾患のゲノム医学
変形性膝関節症の全ゲノム相関解析
Genome-wide association study of knee osteoarthritis
多久和 紘志
1
,
伊藤 修司
1,2
,
池川 志郎
2
,
内尾 祐司
1
Takuwa Hiroshi
1
,
Ito Shuji
1,2
,
Ikegawa Shiro
2
,
Uchio Yuji
1
1島根大学医学部整形外科学教室
2理化学研究所生命医科学研究センター骨関節疾患研究チーム
キーワード:
変形性膝関節症
,
全ゲノム相関解析
,
疾患定義
Keyword:
変形性膝関節症
,
全ゲノム相関解析
,
疾患定義
pp.147-151
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201143
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変形性膝関節症(knee osteoarthritis;KOA)は,環境要因と遺伝的要因の相互作用により発症する多因子遺伝病である。このうち,遺伝的要因の占める割合(遺伝率)は双子研究から39%と報告されており1),KOA研究におけるゲノム解析研究の重要性は高い。
遺伝的要因を規定している疾患感受性遺伝子の探索には,主に相関解析という手法が用いられている。相関解析には2つの方法がある。1つは既知の遺伝子を候補として解析する候補遺伝子解析,もう1つはゲノム上の一塩基多型(single nucleotide polymorphism;SNP)を利用して全ゲノムを網羅的に解析する全ゲノム相関解析(genome-wide association study;GWAS)である。GWASは2002年に世界で初めて行われ2),現在までに多数の多因子遺伝病の疾患感受性遺伝子の同定に貢献してきた。KOAに関してもValdesら3),Nakajimaら4)の研究を嚆矢としてGWASの報告が続いている(表)。
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