Japanese
English
解説
DNAバーコードおよびゲノム編集を用いた細胞系譜の一斉追跡技術
Massive tracing of cellular lineages using DNA barcodes and genome editing technologies
石黒 宗
1,2,3
,
森 秀人
1,2
,
谷内江 望
1,2,4
Ishiguro Soh
1,2,3
,
Mori Hideto
1,2
,
Yachie Nozomu
1,2,4
1東京大学先端科学技術研究センター合成生物学分野
2慶應義塾大学先端生命科学研究所
3日本学術振興会
4科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(さきがけ)
キーワード:
細胞系譜追跡
,
発生
,
DNAバーコード
,
ゲノム編集
,
超並列DNAシーケンシング
Keyword:
細胞系譜追跡
,
発生
,
DNAバーコード
,
ゲノム編集
,
超並列DNAシーケンシング
pp.273-281
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200626
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動物の発生は受精卵からスタートし,細胞ニッチの形成と細胞間コミュニケーションを繰り返し,様々な器官を発達させながら進行する。ヒトにおいては,数十兆個もの細胞から成る複雑な個体が形成される。哺乳動物の発生も,受精卵から胎盤胞程度までの段階は,細胞分裂を顕微鏡下で観察することができるが,比較的長い時間スケールで全身を形成する細胞分裂について,そのすべてを十分な解像度で追跡する技術はこれまでに実現されていない。現代生命科学において,個体や組織を形成する不均質な細胞集団の分化過程とその系譜の全容は,依然として不明瞭である。本稿では,細胞系譜を一斉追跡するための第一線の技術群,特に最近のDNAバーコードおよびゲノム編集を用いた技術による進展について解説し,その将来的な展開を議論する。
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