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特集 器官の発生と再生の基礎
脳形成を下支えする神経前駆細胞の核移動
Nuclear migration of neural progenitor cells in the developing brain
宮田 卓樹
1
,
岡本 麻友美
1
Miyata Takaki
1
,
Okamoto Mayumi
1
1名古屋大学大学院 医学系研究科 細胞生物学
pp.203-207
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101609
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脳の形成は他の器官形成におけると同様の二つの重要なステップ,すなわち,① 細胞の種類・数の確保と,② 組織構築(組み立て)の進行,によって果たされる1)。具体的には,① 細胞の誕生(神経幹細胞・前駆細胞による細胞産生)と個性化(ニューロンかグリアか,それぞれの群の中でどんなサブタイプかなど),および,② 広義の回路形成(ニューロンの移動・配置,線維連絡・シナプス形成,ニューロン・グリア連関の成立など)という現象群が適切に営まれる必要がある。近年,散発的に蛍光標識を施してスライス培養するなど,神経前駆細胞の挙動に向き合う研究手法が“ライブで三次元”へと発展してきたことに伴って,彼らの多才ぶりが詳しく捉えられるようになった2-4)。本稿では神経前駆細胞が行う核の反復運動5-10)に注目し,その意義,機構の一端を概説する。
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