Japanese
English
特集 神経幹細胞と再生移植治療
神経系前駆細胞の生存と死の制御
Regulation of survival and death in neural precursor cells
鎌倉 幸子
1
,
後藤 由季子
1
Sachiko KAMAKURA
1
,
Yukiko GOTOH
1
1東京大学分子細胞生物学研究所情報伝達研究分野
1Institute of Molecular and Cellullar Biosciences, University of Tokyo
キーワード:
神経系前駆細胞
,
アポトーシス
,
生存
Keyword:
神経系前駆細胞
,
アポトーシス
,
生存
pp.202-210
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901345
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神経系の発生過程では,ごく初期の形態形成の時期から発生後期の分化したニューロンに至るまで,多くの系で細胞死が起こっている。最近,未分化な神経系細胞でも細胞死が起こることが報告されているが,その細胞死の起こる時期や場所,その程度については未だに統一した見解が得られていない。しかしカスパーゼ遺伝子のノックアウトマウスでは過剰な神経系の細胞を生じ脳の肥大奇形をまねくことから,未分化な神経系では確実に多くの細胞死が起こっていることが示唆される。このように,神経系前駆細胞を適切な細胞数に保つための,生死を制御する機構が存在すると考えられるが,その研究はまだ始まったばかりである。
During mammalian central nervous system (CNS) development, a certain fraction of neural precursor cells (NPCs) undergo apoptosis. Recent studies have revealed that preventing apoptosis by knocking-out caspases results in excessive neurons and exencephaly, leading to the animal's death. Therefore, the precise control of NPC survival/death is essential for producing an appropriate number of neurons.
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