Japanese
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仮説と戦略
バゾヒビンファミリーとその医学応用
The vasohibin family and its clinical application
佐藤 靖史
1
Sato Yasufumi
1
1東北大学加齢医学研究所 腫瘍循環研究分野
pp.91-97
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101584
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血管は角膜や軟骨などわずかな例外を除き,全身のあらゆる臓器に分布し,それぞれの臓器の機能維持に不可欠の重要な役割を果たしている。その血管は血管内皮細胞とその周囲を取り囲む壁細胞(平滑筋細胞,ペリサイト)や細胞外基質によって構築されている。このうち血管内皮細胞は血管の内腔面を敷石状に覆う単層の細胞集団であり,通常は細胞周期の静止期にあって,血流や血液中の様々な刺激を受容するインターフェイスとして血管壁の恒常性を維持しているが,必要に応じて活発に遊走・増殖し,血管を新生する能力を有している。
血管新生とは,既存の血管の血管内皮細胞が新たな血管網を形成する現象であり,本来は子宮内膜や胎児・胎盤形成,創傷治癒などに限定してみられるが,がん,眼内血管新生病(加齢黄斑変性症,糖尿病網膜症),慢性炎症(粥状動脈硬化症,関節リウマチなど)など様々な病態の発症・進展とも深くかかわっている。
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