増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:1回膜貫通型◆受容体の遺伝子:KIT
c-kit変異と消化管間質腫瘍
宮﨑 真一郎
1
,
今野 弘之
1
Miyazaki Shin-ichiro
1
,
Konno Hiroyuki
1
1浜松医科大学 外科学第二講座
pp.492-493
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101531
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●KIT
KITはc-kit遺伝子にコードされる1回膜貫通型のtype Ⅲ受容体型チロシンキナーゼである。KITのリガンドはStem cell factor(SCF)であり,SCFとKITの結合によりKITのホモ二量体が形成され自己リン酸化が起こり,細胞増殖・生存にかかわるMAPK経路,PI3K-AKT経路,JAK-STAT経路などにシグナルが伝達される。生体内ではKITはメラニン細胞,肥満細胞,消化管ペースメーカーの役割を担うCajal介在細胞に発現している。c-kit変異には機能獲得型変異と機能喪失型変異がある。前者ではKITの恒常的活性化が起こり,一部の黒色腫,肥満細胞症,消化管間質腫瘍(GIST)の原因となる。本稿ではc-kit変異GISTについて概説する。
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