特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
8.膜小胞と封入体
レビー小体型認知症におけるテロメア長の短縮
岩本 俊彦
1
,
久米 一誠
1
,
菊川 昌幸
1
Toshihiko Iwamoto
1
,
Kazumasa Kume
1
,
Masayuki Kikukawa
1
1東京医科大学 老年病科
pp.532-533
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101384
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●レビー小体
元来,レビー小体はパーキンソン病(PD)に特徴的な細胞封入体で,中脳黒質緻密帯や青斑に観察される。その大きさは様々であるが,いずれもエオジンに赤く染まる均一な構造物で,明瞭なhaloを有している。レビー小体の主成分はαシヌクレインで,アミノ酸残基140,遺伝子座4q21-22の蛋白とされる。このレビー小体がPDとは異なって大脳皮質にびまん性に出現し,認知症を呈したものがレビー小体型認知症(DLB;dementia with Lewy bodies)である。その特徴は臨床診断基準1)に記載されているが,αシヌクレインやレビー小体の成因や病態はいまだ明らかでない。当施設でDLB患者の血液,尿を用いてテロメア長および8-OHdG(8-hydroxy-deoxyguanosine)(核酸の酸化ストレス傷害を示唆するマーカー)の測定を行ったところ,DLBでは白血球テロメア長の短縮,尿中8-OHdGの増加が観察された2)。
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