特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
6.ファゴソーム
神経性セロイドリポフスチン蓄積症における異常なリソソームのオートファジーによる処理
小池 正人
1
,
内山 安男
1
Masato Koike
1
,
Yasuo Uchiyama
1
1順天堂大学 医学部 神経生物学・形態学講座
pp.504-505
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101372
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●神経性セロイドリポフスチン蓄積症
進行性ミオクロニーてんかんの一種である神経性セロイドリポフスチン蓄積症(neuronal ceroid-lipofuscinosis;NCL,Batten Disease)は,神経細胞を中心にセロイドリポフスチンを含むリソソームが蓄積する常染色体劣性遺伝の神経変性疾患である。われわれは,代表的なリソソームアスパラギン酸プロテアーゼとして知られるカテプシンD(CD)を欠損するマウス(CD-/-マウス)がてんかん様のけいれん発作を起こし,盲目となり,生後26日で死に至ること,病理組織学的には神経細胞体に自家蛍光陽性のリポフスチン顆粒が充満し,その内部にミトコンドリア内膜のATP合成酵素のサブユニットcが蓄積することを明らかにした。これらはいずれもNCLの特徴であるため,同マウスがNCLの新規モデルマウスであることを報告した1)。その後,CDを欠損あるいはCDの活性を持たないヒトの症例が報告され,CDはNCLの原因遺伝子(CLN)の一つ(CLN10)として認められた2)。
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