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特集 質感脳情報学への展望
視覚における質感知覚
Visual perception of material and surface qualities
西田 眞也
1
Shin'ya Nishida
1
1NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 感覚表現研究グループ
pp.255-262
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101296
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視覚研究の歴史は長い。しかし,質感の研究が盛り上がってきたのはごく最近のことである。単純化された刺激の知覚の分析を得意とする視覚科学にとって,質感は複雑すぎる現象だった。しかし,この複雑な現象に挑戦しなければ,現実世界における視覚は理解できない。近年,この問題に挑戦するための理論と研究手段も揃ってきた。本論ではこのような研究背景を述べたあと,視覚的質感知覚にかかわる人間研究を具体的に紹介する。質感を決定する基本的な物理特性は表面の光の反射特性である。照明や表面形状が反射特性の知覚にどのように影響するのかを中心に説明しながら,人間の視覚系がいかに質感の推定を行っているかを考察する。
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