特集 細胞核―構造と機能
1.核 膜
核膜タンパク質
原口 徳子
1
,
小林 昇平
1
Tokuko Haraguchi
1
,
Shouhei Kobayashi
1
1(独)情報通信研究機構 未来ICT研究所
pp.366-369
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101170
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核膜は核と細胞質を隔てるように存在する二重膜構造(2枚の脂質二重層膜からなる構造)で,細胞質に面した膜を外膜,核質に面した膜を内膜と呼ぶ。この2枚の膜を繋ぐように核膜孔複合体と呼ばれる穴状の構造が作られており,細胞質と核質の間の物質輸送を行っている。多くの場合,外膜は小胞体の一部と連続している。核膜のこの基本構造は真核生物に共通である。この基本構造に加えて,動物細胞の核には核膜の内側に核ラミナと呼ばれる線維状の裏打ち構造がある。一般的に“核膜タンパク質”には核ラミナを構成するラミンなどのタンパク質を含むことが多いが,本稿では,膜にタンパク質の一部が埋まった状態で存在している膜タンパク質のみを核膜タンパク質として紹介する。
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