特集 細胞核―構造と機能
2.核膜孔複合体
核膜孔複合体タンパク質Gp210
中村 稔
1
,
相葉 佳洋
2
Minoru Nakamura
1
,
Yoshihiro Aiba
2
1長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科
2長崎医療センター 臨床研究センター
pp.386-387
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101178
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核膜孔に存在する核膜孔複合体(nuclear pore complex;NPC)は,ヌクレオポリン(NP)と総称される約30種類のタンパク質によって構成される一つのユニットが,8ユニット回転対称性に配置した100MDaの巨大なタンパク質複合体である。そのなかで核膜孔複合体タンパク質Gp210は膜貫通型ヌクレオポリンに属し,他の二つの膜貫通型ヌクレオポリン(POM121,NDC1)とともに,核膜孔複合体の核膜へのアンカーの働きをしていると考えられている。本稿では,Gp210の構造,機能について今までに報告されている主な知見を紹介するとともに,難治性の自己免疫性肝疾患である原発性胆汁性肝硬変との関連についてわれわれの知見を紹介する。
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