Japanese
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特集 クロマチン
クロマチンリモデリングとGAGA因子
GAGA factor-dependent chromatin remodeling
広瀬 進
1
Susumu Hirose
1
1国立遺伝学研究所形質遺伝研究部門
pp.193-196
発行日 2003年6月15日
Published Date 2003/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100749
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ショウジョウバエの唾腺染色体を用いた観察により,転写活性の高い領域はDNA密度の低いパフと呼ばれるクロマチン構造をとることが古くから知られていた。エクダイソンというホルモンを投与したり,熱ショック処理すると,エクダイソンで誘導される遺伝子座や,熱ショック遺伝子座で新たにパフが形成されるため,転写活性化に伴ってクロマチン構造が変換されると考えられるようになった。その後,多くの生物で盛んに転写が起きている活性クロマチンは,ヌクレアーゼに感受性が高いことが判明し1),この考えが支持された。一方,Herskowitzらは,遺伝学的解析から酵母のSwi1,Swi2/Snf2,Swi3,Snf5,Snf6遺伝子産物が複合体を形成し,クロマチンを介して一群の遺伝子の発現誘導に関与することを提唱した2)。そして酵母やヒトから精製したSWI/SNF複合体が,ATPの水解を伴ってクロマチン構造を変換することが示された3,4)。さらに,ショウジョウバエの胚からSWI/SNF複合体の他にNURF5),ACF6),CHRAC7)などのクロマチンリモデリング因子が精製され,クロマチンリモデリングの実態が明らかになってきた。
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