特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
2.酵素および酵素制御
酸性マルターゼ/ライソゾーム性αグルコシダーゼ(GAA)
金澤 直美
1
,
辻野 精一
2
Naomi Kanazawa
1
,
Seiichi Tsujino
2
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第五部
2独立行政法人医薬基盤研究所
pp.386-387
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100437
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機能・遺伝子・蛋白
酸性マルターゼ(α-グルコシダーゼ[GAA])はライソゾーム酵素であり,グリコーゲンのα-1,4およびα-1,6結合を加水分解することによりグルコースを生成する。酸性マルターゼのcDNAは約3.6kbで952個のアミノ酸をコードしている1)。遺伝子は20個のエクソンを含み,ゲノム上でおよそ28kbの領域に拡がっており2),染色体の17q25.2-25.3に位置する3)。第1エクソンは5'側非翻訳領域のみからなり,第2エクソンに開始コドンが存在する4)。翻訳されたペプチドは小胞体で7ヵ所に糖鎖が付加され,そのうち2ヵ所がリン酸化を受け110kDaの前駆体となる。その後,ゴルジ体からライソゾームにかけての輸送過程とライソゾーム中で段階的に翻訳後修飾が行われ,95kDa,76kDaを経て最終的に70kDaの活性型酵素が生成される5)。
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