特集 生物進化の分子マップ
11.酵素
DNAポリメラーゼの分子進化
武村 政春
1
Masaharu Takemura
1
1東京理科大学理学部第一部教養学科
pp.406-407
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100285
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
真核細胞は古細菌を祖先とする共生の産物であるといわれる。この共生説には様々な証拠が存在するが,中でも1999年,Lakeらによりなされた真正細菌,古細菌,酵母の核ゲノム遺伝子の比較によって,真核細胞の複製・転写・翻訳に関わる遺伝子のほとんどが古細菌型であることが明らかとなったことは特筆に値する1)。本稿ではこのうち,複製に関わる遺伝子について取り上げる。
DNA複製反応において,デオキシリボヌクレオチド重合反応に携わるのがDNAポリメラーゼであり,真核生物では計15種類のものが知られ,このうち,通常のDNA複製反応を司るものがDNAポリメラーゼα,δ, そしてεである2,3)。
Copyright © 2006, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.