特集 今さら聞けない臨床現場のAI—結局何に使えるの?
【総論 AIの基礎と医療への応用】
❷医療AI導入のメリットと課題
香田 将英
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1岡山大学学術研究院医歯薬学域 地域医療共育推進オフィス
キーワード:
生成AI
,
大規模言語モデル
,
根拠に基づく医療
Keyword:
生成AI
,
大規模言語モデル
,
根拠に基づく医療
pp.366-370
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360040366
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近年、医療現場で生成AIが話題になり、診療録作成や患者向け文章の下書きなど、文章生成に強い大規模言語モデル(large language model:LLM)の利用が現実の選択肢になってきている。『JAMA Internal Medicine』誌の論考では、先行導入施設では事前承認文書や患者ポータルの返信文案、診療記録支援AIが日常的に使われ始めている一方で、今後は病歴聴取や診断など、より認知的に複雑な臨床タスクを支援する「次の世代」の利用が広がると見通している1)。この変化により、医療の質向上と効率化の双方に期待が寄せられると同時に、われわれは情報の正確性、患者安全、個人情報、説明責任、医療者教育といった種々の課題に対応していく必要がある。
総合診療の現場は、とりわけAIの利点と落とし穴が表れやすい。外来で遭遇するのは「典型的疾患例」だけではなく、未分化の訴えや複数の病態が重層する症例、あるいは典型的疾患を模倣する“mimic”もあり、これらを見分けることが日常的に求められる。例えば、倦怠感と体重減少を訴える患者の背景に、甲状腺機能異常、悪性腫瘍、うつ病、あるいは社会的孤立が潜んでいる可能性を同時に検討しなければならない。こうした診療では、病歴の「行間」を読み、語られない情報を引き出し、文脈に応じて鑑別の優先順位を動的に組み替える臨床的判断が不可欠である。

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