ジェネラリストに必要な ご遺体の診断学・36【最終回】
実践応用編⑤:社会的に死を考える
森田 沙斗武
1
1医療法人やまびこ会
pp.322-325
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360030322
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case 1
患者:43歳、男性
既往歴:特になし
病歴:妻、子ども2人の4人家族。建設現場で勤務していた。実家は資産家であった。
某日午後1時15分マグニチュード9.0の地震が発生。その後、大規模な津波が生じた。仕事現場周辺に津波は到達しなかったが、建設現場で崩落事故が生じ巻き込まれた。周囲の人が慌てて救出したが、コンクリートブロックの下敷きとなり、即死状態であった。職場の同僚は自宅や会社に戻りたかったが、本屍を現場に置いておけないため、自動車で自宅まで運ぼうと判断した。しかし震災による混乱のため警察や救急病院にも連絡がつかず、対応がわからなかった。困った同僚が、被害の少なかった当クリニックに相談。医師はこれまでの経験から、死体検案書があればご遺体を搬送できると考え、異状死の届け出は後日行うこととして死体検案書を発行した。なお、自宅や実家は津波被害に遭った様子だという。

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

