特集 攻めの安全処方術—引き算処方+多面的アプローチ
【疾患・愁訴編】
❸増悪予防を意識した慢性疾患へのsafe prescribing
大浦 誠
1
1南砺市民病院 内科
キーワード:
safe prescribing
,
多疾患併存
,
マルチモビディティ
,
安全処方の四象限モデル
,
減薬の段階モデル
Keyword:
safe prescribing
,
多疾患併存
,
マルチモビディティ
,
安全処方の四象限モデル
,
減薬の段階モデル
pp.1153-1157
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350101153
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CASE ふらつきで外出できなくなった80代男性の薬剤見直し
患者:80代、男性。
既往歴:高血圧症、心不全、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病ステージ3a、骨粗鬆症、前立腺肥大症、軽度認知症。
処方歴:近医でβ遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬、カルシウム拮抗薬、メトホルミン、ビスホスホネート、α遮断薬、吸入ステロイド/長時間作用性β2刺激薬(ICS/LABA)が処方されていた。
現病歴:「最近、ふらついて外に出たくない」と訴えるようになり、当院を外来受診した。診察では、起立性低血圧と軽度の脱水を認めた。服薬アドヒアランスも低下しており、「何の薬かわからないまま飲んでいる」「飲んでも変わらない気がする」と話していた。
増悪予防と処方最適化の両立に向けた「攻めの安全処方」の実践が求められた症例である。

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