特集 攻めの安全処方術—引き算処方+多面的アプローチ
【疾患・愁訴編】
❶かぜ症候群へのsafe prescribing
宮松 弥生
1
,
谷崎 隆太郎
1
1市立伊勢総合病院 内科・総合診療科
キーワード:
かぜ症候群
,
対症療法薬
,
二次性細菌感染症
,
抗菌薬適正使用
,
説明の処方
Keyword:
かぜ症候群
,
対症療法薬
,
二次性細菌感染症
,
抗菌薬適正使用
,
説明の処方
pp.1143-1147
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350101143
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
CASE かぜが治ったと思ったら…抗菌薬投与を要した二次性細菌性鼻副鼻腔炎の1例
患者:40歳、男性。
現病歴:前日から38℃の発熱、咽頭痛、鼻汁、咳嗽が出現したため当院を受診。
初診時:全身状態良好。「同居の高齢の母にうつるのでは」と心配している。「かぜの可能性が高いでしょう。十分な栄養と休養をとれば、一般的に数日〜10日で治ります。ただし、いったん改善した症状が悪化した際は再受診してください」と伝え、マスク着用や咳エチケット、手指衛生などの感染対策を説明した。またアセトアミノフェン600 mg/回・頓用(発熱時)を10回分処方した。
再診時:6日後、いったん解熱したあとに再度発熱したため、再受診した。鼻汁、右頰部痛、中等量の膿性後鼻漏を認め、細菌性鼻副鼻腔炎と診断。アモキシシリン500 mg/回・1日3回を7日分処方し、数日で症状は改善した。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.