特集 画像検査との“上手な”つきあい方—知っておきたい画像検査・画像診断のアレコレ
【日常診療を円滑・安全に行うための画像検査の知識】
❸—これだけは押さえておきたい!—腹痛患者の腹部CT読影—ミニマム・エッセンス
金井 信恭
1
1東京北医療センター 救急科
キーワード:
killer disease
,
ウインドウ調整
,
MPR
,
thin slice
Keyword:
killer disease
,
ウインドウ調整
,
MPR
,
thin slice
pp.1010-1013
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350091010
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●単純・造影CTの使い分け
腹痛が主訴の患者が来院した場合、CTを依頼する前に問診や身体所見、あるいは血液検査や腹部超音波検査などからある程度の疾患が想起されているであろう。腹部CTプロトコールにおける単純・造影の使い分けは疑われる対象疾患により当然異なるが、原則的に筆者は単純+造影(dynamic CTを含む)が望ましいと考えている。
単純CTのみでも診断可能な疾患は多く、特に石灰化、腹水、出血、脂肪織濃度上昇、ガス像などの所見から、診断に至る場合も少なくない1,2)。救急部での腹痛評価において、非造影(単純)CTの精度は造影CTと比較して約30%低かったとの報告もあり3)、単純CTのみで検査を終了する場合には、造影しないとわからない病態や本来は造影を要する疾患を確実にルールアウトできている必要がある。

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