連載 ローテクでもここまでできる! おなかのフィジカル診断塾・2
—おなかが痛い その2—前皮神経絞扼症候群—画像検査で異常がみつからない腹痛
中野 弘康
1
1大船中央病院内科
pp.781-785
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228241
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腹痛は日常診療で避けて通れない症状の1つです.腹痛の患者さんを診ないでもよいのは,大学病院をはじめとしたごく一部の特殊な環境にいる医師に限られるのではないでしょうか.しかも腹痛患者は内科外来・救急室・病棟などセッティングを問わずやってきます.
本邦ではCTスキャンという優れた検査機器が潤沢にあるため,腹痛患者を診たらCTへ送るという構図が成立している施設(医師?)が多いのではないでしょうか.聞いた話では,腹痛で受診した患者さんの病歴を聞く前に,CTをオーダーしてしまう医師もいるとのことです.これではいつまで経っても臨床能力は涵養されません.こと腹痛診療においては,基本に忠実に病歴・身体所見をフルに活用することが求められます.
*本論文中、関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年4月30日まで公開)。
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