特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
⑯これゼッタイ「ACNES」でしょう!間違いないッ
和足 孝之
1,2
1ミシガン大学内科 ホスピタリスト部門
2島根大学附属病院 総合診療医センター
pp.284-285
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204710
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Case
患者:78歳、女性
主訴:左腹部痛
既往歴:なし
内服:アセトアミノフェン
嗜好歴:なし
現病歴:2日前に左腹部の痛みを自覚し、夜間に救急外来を受診した。前医では血液検査・腹部CT検査などが行われたが、異常所見を認めず「便秘症」と診断された。しかし痛みは改善せず、体幹を少し動かすだけで左腹部に電撃のような痛みが走るため、当院総合診療外来を受診した。
身体所見:バイタルサインは正常範囲。通常の腹部診察で圧痛・反跳痛を認めない。しかし丁寧な診察の結果、腹直筋外側縁(Th11)領域にピンポイントの圧痛を認め、同部位のピンチテスト陽性、Carnett徴候も陽性であった。
疼痛部位に1%リドカイン5mLの局所注射を行うと、痛みが寛解した。しかし、1週間後の外来フォローでは「ずっと背部に痛みが残っている」という訴えがあった。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年3月31日まで)。
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