構造式で語る医学│薬物の交差反応や意外な副作用を学ぼう!・1【新連載】
なぜ薬の構造式を学ぶのか?
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.80-81
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350010080
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イントロダクション
医学情報はこれまで膨大な量が蓄積がされています。薬物情報に限っても数多くの種類が存在し、たとえばDRUGBANK1)というウェブページには、50万以上もの薬物情報が掲載されています。さらに日本の医薬品に限っても、2012〜2023年度には毎年平均122品目が承認されています2)。これほど多くの薬物情報を頭の中に詰め込むことは、容易ではありません。
一方、ベッドサイドでもオンライン検索が容易となり、処方前に添付文書などの情報を確認することの敷居が低くなっています。では処方前に、すべての処方薬剤の添付文書を見返せばよいのかと言うと、忙しい日常診療の中ではそううまくはいきません。用法・用量について自信がなければ確認するのは医師の常識としても、副作用や薬物相互作用を疑っていない時にも添付文書を逐一読み返すのは、現実的なプラクティスとは言えません。そのためわれわれ医師は、薬物の特性や相互作用について知識を深め、適切なタイミングで調べ直すことができるようになる必要があるのです。
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