北から南から
助産婦さん,見事な代打—看護婦不足みかねる/また赤ちゃん取違え—阿倍野の産院2年後交換
pp.56
発行日 1970年5月1日
Published Date 1970/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203934
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鹿児島県出水市米ノ津保育園で集団赤痢が発生したとき,看護婦不足をみかねた助産婦が,自発的に看護を申し出て自分の仕事をなげうって1カ月間,隔離病舎に泊まり込んで看護したことがわかり,出水市では近く表彰する。
この助産婦は,出水市新蔵上の桐野喜美代さん(44)と平松西の堀トクさん(54)の2人。1月27日に保育園児1人が真性赤痢と診断され隔離されたのを手はじめに,患者は保育園から米ノ津地区一帯にいもづる式に拡がり,同市では1月30日米ノ津保育園を閉鎖して臨時隔離病舎とし患者を収容したが市内の保健婦や看護婦だけでは間にあわずてんてこ舞いしていた。たまたま自分が取り上げた幼児が赤痢にかかったため,見舞いに行った桐野さんが,深刻な看護婦不足の実情をみかねて助産婦仲間の堀さんと話し合い「自分たちで役に立つなら」と看護を申し出て仕事を投げうって,1月30日から2月28日集団赤痢が全く終息するまでひと月以上も隔離病舎に泊まり込み看護にあたった。
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