特集 薬物治療の質向上
Part 2 薬物治療を適切に個別化するための基本知識
【コラム④】錠剤の嚥下の可否はどのように決まるか?—メカニズムを学びながら,摂食・嚥下のコツを見つけよう
林田 裕貴
1
,
松本 朋弘
2
Hiroki HAYASHIDA
1
,
Tomohiro MATSUMOTO
2
1ごはんがたべたい。歯科クリニック
2上野原市立病院 内科
pp.338-343
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120020338
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錠剤を飲み込むことは,摂食・嚥下障害患者にとって難しいことが多い。しかし病棟では,摂食・嚥下障害のため絶食になっているにもかかわらず,内服が継続になっていることも散見される。その摂食・嚥下障害の判断は,往々にして食事の際の誤嚥やムセ,誤嚥性肺炎の発症がもとになっている。そして,そのような患者でも内服薬を飲み込めてしまうという現実もある。
また,錠剤は難しくとも,口腔内崩壊錠や細粒,液体であれば摂取可能となったり,さらに,介助する担当看護師が変わるだけで内服の可否が変わったりすることもある。
内服できない理由はいくつでも見いだせるが,我々は内服できている患者の状況から,その内服できるコツを見つける必要がある。しかし,ただ闇雲に摂食・嚥下障害患者の内服する場面を見ても,それは至難の業である。
本稿では,基本的な摂食・嚥下のメカニズムを学びながらコツを見つける方法を考えていきたい。

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