特集 非侵襲的呼吸管理:NPPV vs. HFNC論争 いま決着のとき
特殊病態におけるNPPVとHFNCの使い分け
❼ 気管支喘息急性増悪における非侵襲的呼吸管理—エビデンスと実践の乖離を俯瞰する
新井 健史
1
,
横山 俊樹
1,2
Kenji ARAI
1
,
Toshiki YOKOYAMA
1,2
1公立陶生病院 救急部集中治療室
2公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科
キーワード:
気管支喘息急性増悪
,
air trapping
,
動的肺過膨張
,
CPAP
,
呼吸管理ストラテジー
,
near fatal asthma
Keyword:
気管支喘息急性増悪
,
air trapping
,
動的肺過膨張
,
CPAP
,
呼吸管理ストラテジー
,
near fatal asthma
pp.509-514
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170040509
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はじめに
気管支喘息急性増悪(発作)(メモ1)における非侵襲的呼吸管理は,いまだ十分なエビデンスが確立していないとされ,喘息に関する多くのガイドラインにおいてもその記載は十分なものとはなっていない。一方,臨床現場では,気管挿管を要さずに施行できる呼吸管理であり,簡便・安全に開始できることから,気管支喘息急性増悪において非侵襲的陽圧換気療法non-invasive positive pressure ventilation(NPPV)や高流量鼻カニューレ療法high-flow nasal cannula(HFNC)が活用される場面は多くなってきている実情もある。過去のエビデンスやガイドラインでの記載との乖離は,臨床現場や教育現場においても多くの混乱が生じる元となっている。
本稿では,これまでのエビデンスを俯瞰しつつ,その実際について,現場での活用をふまえ概説する。

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