特集 ICUにおける抗菌薬:new era strategy
❶ 巻頭言:ICUにおける抗菌薬—抗菌薬をロジカルに使うために
藤井 元輝
1
Motoki FUJII
1
1亀田総合病院 集中治療科/感染症内科
pp.147-150
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170020147
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ICUにおける抗菌薬*1の使用は,治療効果と薬剤耐性化リスクという2つの相反する要素のバランスの上に成り立っている。敗血症性ショックをはじめとした重症患者では,広域抗菌薬を開始せざるを得ない状況が多いものの,その安易な乱用は耐性菌を生み出すリスクがある。このジレンマに対応するためには,重症患者であるからこそ論理的な抗菌薬の使用が求められる。すなわち,感染症診療の原則と抗菌薬の特性を理解したうえで,目の前の患者にどのような感染症が起きていて,その原因となる微生物は何かを突き詰め,患者ごとに最適な抗菌薬を選択し,投与量,投与期間を決定する必要がある。しかしICUでこれらを実践することは,以下の要因からなかなか難しいのが現状である。

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