特集 酸塩基平衡,電解質異常に挑む
Part 1 ICUでの電解質異常に挑む
カリウム異常
❼ 高カリウム血症,どう効率よく治療する?—重症・中等症・軽症,5 STEPを意識した治療戦略が重要
小泉 三輝
1
Mitsuteru KOIZUMI
1
1京都医療センター 腎臓内科
キーワード:
心臓を守れ!
,
Kを細胞に押し込めろ!
,
Kを体外に取り除け!
,
Kと血糖値をモニタリングせよ!
,
再発を防げ!
Keyword:
心臓を守れ!
,
Kを細胞に押し込めろ!
,
Kを体外に取り除け!
,
Kと血糖値をモニタリングせよ!
,
再発を防げ!
pp.41-50
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170010041
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はじめに
高カリウム血症は,一般外来,救急外来,一般病棟,ICU等,あらゆる診療現場においてしばしば遭遇する,致死に至る可能性のある電解質異常である。特に重症の場合,緊急の対応が求められる。
2023年に英国腎臓協会United Kingdom Kidney Association(UKKA)は「成人における急性高カリウム血症の診療ガイドライン」1)を改訂した(以下,UKKAガイドライン)。前回は2020年に発表されたが,その後,新規のカリウム吸着薬であるジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物sodium zirconium cyclosilicate hydrate(SZC,ロケルマ®)に関するエビデンスが出現し,また初期対応時のカルシウム製剤投与に関する変更もあり,今回改訂された。本稿では,これに沿って高カリウム血症の治療戦略を考えていきたい。
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