増大特集 遺伝性神経疾患ハンドブック
扉
pp.399
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960770050399
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神経疾患の中には,かつては孤発性と考えられていたものの,研究の進展により遺伝性が明らかになったものが数多く存在します。疾患特異的な遺伝子が次々と発見されたことで,従来の分類が見直され,例えばオリーブ橋小脳萎縮症の孤発性/遺伝性といった区分も,後者ではより精緻な遺伝学的分類へと整理されつつあります。また,病型が確定することで疾患特異的な治療を行うことが可能となってきました。その一方で,遺伝学的検査に際して適切なカウンセリング体制の整備も求められています。
本特集では,代表的な疾患から比較的稀な疾患まで幅広く取り上げ,遺伝子診断や治療に関する技術的・倫理的側面にも触れながら,各疾患の臨床的特徴,関連遺伝子,遺伝子変異による表現型の違い,治療の可能性について簡潔かつわかりやすく解説します。遺伝性神経疾患は極めて多様であり,神経疾患に携わる医師にとってその理解は欠かせません。最新の遺伝子診断や治療法の進展に関する知識を整理し,臨床・研究の現場で役立てていただくことを願っています。

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