JARM NEWS【REPORT】
第47回日本高次脳機能障害学会学術集会/第58回日本脊髄障害医学会
大沢 愛子
1
,
船越 政範
2
1国立長寿医療研究センターリハビリテーション科
2栃木県立リハビリテーションセンター
pp.331
発行日 2024年4月18日
Published Date 2024/4/18
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- 文献概要
第47回日本高次脳機能障害学会学術集会(東北大学大学院,鈴木匡子会長)は2023年10月28日(土)・29日(日)の2日間,紅葉が美しい仙台国際センターで開催された.リハビリテーション医学や医療に携わる中で“高次脳機能障害”という言葉を知らない人はいないが,高次脳機能の解明や高次脳機能障害によって引き起こされる生活障害に対する治療とケアに積極的に携わる医療・福祉関係者は残念ながらそれほど多くはない.今回は現地とwebのハイブリッドで実施されたが,1,000名を超える人が現地に集い,「ひろがる つながる 高次脳機能障害」をテーマに活発な議論が繰り広げられた.“ひろがる”では「基礎と臨床からの視点,発達と加齢としての視点」,“つながる”では「高次脳機能障害者を支える視点」から多くの知見が発信され,コロナ禍での内向的な思考を一気に解き放ち,関係者が連携して“高次脳機能”に関する諸問題に取り組もうとする会長の気迫が伝わる素晴らしい学会であった.
高次脳機能障害支援モデル事業から20余年が経ったが,脳機能の解明はまだ道半ばで,その治療法も十分に考案されていない.公認心理師の上位に位置する専門資格と考えられる臨床神経心理士の資格制度もでき,われわれ日本リハビリテーション医学会の会員も本領域の発展に大いに貢献できるよう,来年の学術集会への参加を期待したい.
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