連載 レポート・海外の薬物依存症ケア【その1・ブラジル】
サンパウロ市の薬物依存症ケアの現状(前編)
寳田 穂
1
1大阪市立大学看護短期大学部
pp.69-74
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900695
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乱用すすむ日本の不正薬物
近年日本では,覚せい剤の乱用が,1950年代,1980年代の大流行に継ぎ大きな社会問題となっており,1998年に警察庁は「第3次覚せい剤乱用期」に入ったと発表いした。薬物の乱用・依存は,日本のみならず世界共通の問題であり,1998年にニューヨークで行なわれた国連薬物特別総会では,2008年までに不正薬物の需給を大幅に削減することが提唱された。そして,日本では内閣総理大臣を本部長とする薬物乱用対策推進本部から,第3次覚せい剤乱用期の早期の終息に向けての対策と,世界的な薬物乱用問題の解決への貢献に向けて,1998年に「薬物乱用防止五か年戦略」が出された。
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