連載 レポート・海外の薬物依存症ケア【その1・ブラジル】
サンパウロ市の薬物依存症ケアの現状(後編)
寳田 穂
1
1大阪市立大学看護短期大学部
pp.70-74
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900463
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地域の教会に基点を置いて
国立サンパウロ大学「アルコール・薬物依存地域部門」
国立サンパウロ大学は,アルコール・薬物依存の地域部門(UCAD:Unidade Comunitaria de Álcool e Drogas)として,ジャージン・アンジェラ地区(Jardim Angera)のカトリック教会(写真1)を基点に活動を行なっている。ジャージン・アンジェラ地区(写真2)は,37.4km2に約30万人が生活しているファベーラ(貧困層の不法住居=スラム街)である.写真に写っている建物群は,地盤がとても危険な湿地帯に不法に建てられた建物とのことである。この地区では,毎週14~15人のアルコール・薬物に関連した死亡者のミサが行なわれていたため,教会の神父からの依頼で,UNIAD(医学部精神科アルコール・薬物研究部門)がこの地区で活動することになった。ここでの薬物依存リハビリ・予防活動は,NGO(非政府組織)とUNIADと教会との合同事業である。
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