連載 宮子あずさのサイキア=トリップ・31
冤罪はこうして作られる?
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.98-99
発行日 2003年1月15日
Published Date 2003/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900548
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私は病棟の苦情対応係
管理職になって、患者さんからの苦情を聞く機会が増えました。勤務表作成と並んで、今の私の“本来業務”といえましょう。
その際私が心がけているのは、ことの真偽にこだわらない、ということです。特に「言った・言わない」の話は、しょせん真相は薮の中。あれこれと事情を問いただしたところで、その場にいなかった人間に事実はわかりようがないのです。下手に出る言葉として「私はその場にいなかったのでわかりませんが…」と一言添えるのは良いとして、開き直り的にそれを言ったら相手は爆発します。このあたりの微妙な駆け引きは、なかなか息詰まる緊迫感があります。
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