理由ありのヒロイン像

　この書の副題は「アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」。帯には，《「ナイチンゲール」は『ナウシカ』である。「キューリー夫人」は『セーラームーン』である。「ヘレン・ケラー」は『もののけ姫』である》と，伝記物語の愛読者が見たら怒り出しそうな過激な言葉が並ぶ。しかし，後期青年期に『宇宙戦艦ヤマト』に涙し，この年になってなお，孫と一緒に『セーラームーン』『キューティハニー』なんぞを楽しんでいるアニメ大好き人間の私としては，見逃すわけにはゆかない一冊なのだった。