連載 内科医がそばにいない環境で精神疾患を持つ人の命と暮らしを守る・6【最終回】
私たちができること、知っておきたいこと
早期に治療しなければ生命に関わる「胸痛」を知っておこう
小野 正博
1
1福島県立宮下病院
pp.551-554
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201212
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「症状」や「身体所見」の結果を、内科医はどのように診断に使っているのか
前回は頭痛の症例を取り上げ、「痛み」の重要な問診事項であるOPQRSTをご紹介しました。そして最後に、感度と特異度の話をしました。これを知っておくことで、院内検査や観察結果を活用し、搬送の判断を後押しするものになると思いますので、少し掘り下げたいと思います。
感度、特異度とは、主に検査の指標として、「この検査の感度は95%」「特異度90%」などというように使われます。症状や身体所見も一つの検査と考えて、同じように感度、特異度で表すこともできます。前回、精神科でも行える身体診察としてご紹介した「頭部硬直」や「ケルニッヒ徴候」の所見も、陽性=病気、陰性=病気ではないと単純に決められるものではありませんでした。
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