連載 小瀬古伸幸のしくじり体験・4
2時間説明して契約したが、1週間で終了を申し出てきた家族
小瀬古 伸幸
1
1訪問看護ステーションみのり
pp.534-538
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201209
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【事例】Hさん、70代、女性、パニック障害、長男と二人暮らし
Hさんは数か月前に心筋梗塞を発症し、心臓カテーテルの手術を受けました。その頃から「胸の圧迫感が取れず、苦しい」「胃の不快感がある」と身体の不調を訴えるようになりました。さまざまな検査を受けましたが身体に異常は見られず、経過観察となりました。しかし食事が摂れなくなり、体重が約10kg減少しました。そして「身体が苦しい」と長男に頻繁に訴えるようになりました。
身体の不安は日々増していき、長男が離れると、手の届く範囲にあるリモコンや布団を叩き、戻るまで名前を呼び続けるようになりました。この状況が1日に8時間ほども続くことがありました。また長男が外出する際には「1時間以内に戻ってきてほしい」と要求し、少しでも時間を過ぎると、帰ってくるまで何度も電話をかけます。そのような状況が続き、長男も自宅でみることの限界を感じていました。
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