連載 うんこあるある・9
精神科の現場で遭遇したアンビリーバボーな話。
塩月 玲奈
1
1医療法人静和会中山病院看護部
pp.434-435
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200793
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食事を拒否するなんて、様子がおかしい
認知症で癒着性イレウス既往のある患者さんは、いつも食事(高濃度栄養食)を楽しみにしているのですが、その日の昼ご飯は頑なに「いらない、いらない」と拒否しているとスタッフが言っています。私は何かおかしいなと直感的に思い、その患者さんの所へ行きました。そこにはバイタル測定をしているスタッフがいて、やはり「いつもと違って何か変なんです」と言います。血圧は低く、身体に力を入れ、閉眼し渋い表情をしています。スタッフに排便状況をたずねると、「昨日排便はあった」と言います。
腹部の観察をしてみたところ、腹部の緊満がありました。排便があるのにおかしいなと思い、「直腸診をしよう」とスタッフと準備をしました。グローブを二重にして潤滑剤をつけて、いざ指を入れてみると、便は降りていて触れるが硬い! 嵌入便か?と思いました。触れるのだけれど、摘出できない。直腸壁に指を添わせてゆっくり便の大きさを確認します。拳くらいの大きさがありそうでした。
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