特集 認知症高齢者へ、こんな対応の工夫により身体拘束をせずに乗り切っています
—行動制限という社会的ジレンマを解消するための処方箋【2】—阪和いずみ病院ではどのようにして安全ベルト廃止に取り組んだか
田邉 友也
1
1医療法人聖和錦秀会阪和いずみ病院・看護部
pp.583-588
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200552
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方略の立て方
阪和いずみ病院(以下、当院)は1965年に設立された。2018年11月1日に新病院への移転を控えており、現在の444床から678床に増床予定である。
増床にあたりその前から看護職員の増員を図っていったのだが、それによって安全ベルトの使用が減ることはなかった。ある時その状況を見た看護部長がこう言った。「安全ベルトの使用が減らないのは“マンパワーが不足しているから”というのが“言い訳”だというのがよくわかった」。私はそれに対して「そうですよ。では別の方法で、安全ベルト廃止を試みてみましょう」と応え、看護部長の許可を受けたうえで、病院としての安全ベルト廃止の取り組みを始めることになった。環境調整を行いながら、いくつかの方法によってスタッフ1人1人に行動の変容を促し、安全ベルトの廃止を実現した。本稿ではその取り組みを具体的に紹介する。
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