特集 精神科で看取るために必要な技術と考え方(前編)
看取りの技術を上げるための「基礎編」—講演「精神科の終末期ケア」@医学書院 2018年1月16日より
松谷 典洋
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター
pp.136-141
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200449
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精神科の看取りの現状
⦿精神科の看取りに困難がつきまとう理由
最初に、精神科での看取りの現状について考えてみます。私は今、身体合併症を持つ精神疾患患者を受け入れる病棟で勤務しているのですが、精神科のケアと看取りを同時にするというのはとても困難なことだなと日々感じています。
その理由の1つは人員と設備の不足です。私が所属する横浜市立大学附属市民総合医療センター(以下、当センター)の精神科病棟(精神医療センター)は50床で、看護師は10対1の人員ですので、他に比べれば恵まれているのでしょうが、それでも大変です。救命しなければいけない身体合併症をもつ方がたくさんおられるので、そちらをケアしながら看取りのケアもしなくちゃいけないとなると、10対1でも十分なケアが提供しにくい。さらにスタッフが少ない他の精神科病院ではなおさらだと思います。
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