連載 愛か不安か・5
こんなことをやる羽目—障害者プロレスの映画をめぐって
春日 武彦
1
1成仁病院
pp.298-302
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200236
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わたしは気が重い
世の中は、気の重いことであふれている。病棟で患者が転倒して怪我を負った事実を家族へ電話連絡をする時は、ひたすら気が重い。ラッシュアワーの時間帯に、乗り慣れない路線の電車に乗らねばならない時も、気が重い。せっかくの申し出を、スケジュールの都合から断らなければならない時も、まことに気が重い。そうした例はいくらでも出てくる。
ここ1か月、わたしには気の重い事案があった。映画の試写を収めたDVDを観る必要があったのだが、それが何だか億劫というか面倒というか、いまひとつ気合いが入らないのだ。さっさと再生用のデッキにDVDを挿入し、あとは椅子に座ってコーヒーでも飲みながら画面を眺めていればいいだけなのに、気が重いのである。
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