特別記事
動機づけ面接法がさらにわかる—綱引きにならない治療導入のために
佐久間 寛之
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
pp.164-176
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200206
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まずはおさらいから
皆さん、こんにちは。久里浜医療センターの佐久間です。2015年11月号特集に引き続き、動機づけ面接法(Motivational Interviewing:以下MI)の話を進めます。今回はより具体的な、MIのノウハウをお話ししたいと思います。
まず、前回のおさらいをしてみましょう。アルコール依存症はなぜ自分をダメにしてしまうような(自己破壊的な)飲酒を繰り返すのかをお伝えしました。楽しいから飲むと言うより、つらさ、苦しさから逃れたいというのが主な理由でしたね。そして自分の問題がまったくわかっていない人はほとんどいない、たいていの依存症者は心のどこかである程度は問題を認めている、ということも記しました。どこかで問題を認めているからこそ人に言われたくない、問題がわかっているからこそ人に言われると腹が立つ、そんな気持ちが「否認」という、頑固で攻撃的な否定の態度として現れるのでしたね。
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