特集1 行って見て聞いた オープンダイアローグ発祥の地ケロプダス病院
リフレクティングは予告なく始まった
石原 孝二
1
1東京大学大学院総合文化研究科(科学史科学哲学研究室)
pp.13-15
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200171
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オープンダイアローグのセミナーなどでは、バフチンの「応答されないことは最も不幸なことである」という言葉がオープンダイアローグの精神を表すものとしてよく紹介される。クライアントから発せられる援助要請に対して、それがどのようなものであれ、即座に対応することがオープンダイアローグの重要な原則となっている。
他方で、オープンダイアローグは2人以上のセラピストで治療ミーティングを行うことを基本としている。そしてこの2人(以上の)セラピストが、クライアントとのそれまでの話を踏まえて議論を始めることがある。これは「リフレクティング・プロセス」と呼ばれる技法で、ノルウェーのトム・アンデルセンが開発し、オープンダイアローグに取り入れられたものである。
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