Hello Nursing・6
勤務が始まる
姉崎 宜子
1,2
1日赤短大
2東洋大学大学院修士課程修了
pp.46-48
発行日 1970年9月1日
Published Date 1970/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
□自室での朝食□
寮生活の2日目の朝,私の部屋の掃除と雑用係の婦人が,朝食を運んでくれた。小テーブルくらいのお盆に,レースの模様を浮き彫りにした紙を敷き,銀製のティーポットと熱い湯のポット,ミルクジャー,それにステンレス製のスプーン,ナイフ,フォークがセットされ,メニューは,グレープフルーツ,コーンフレーク,ベーコン・エッグ,マーマレードつきのトーストであった。典型的な英国の朝食である。
日本で,虫垂炎と貧血のため入院生活をしたことがあるが,健康時に朝食を自分の部屋で,しかも他人から銀食器つきの朝食のトレイを運んでもらったことはなかったため,少々とまどいを覚えたが,なにか急に偉くなったみたいで,悪い気はしなかった。これが,「看護婦生活手引」に書いてある,例の休日の朝食であった。休日で寮にいるときや遅番勤務のときは,前日の午前中までに受付にそなえてあるノートに朝食の依頼を記入し,朝食を部屋まで運んでもらう。この特権は,看護学生にはなく,正看護婦以上の看護職員にのみ与えられている。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.