とびら
これからの目標
柳田 健志
1
1北九州八幡東病院リハビリテーション科
pp.473
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200883
- 有料閲覧
- 文献概要
私は子供のころから医療職になりたいと思っていた.ただ漠然とであるが,病院で白衣を着て働くことが夢であった。父親が歯科技工士として歯科医院に勤めていた影響なのだと思う.ただ,どの職種なのかはまったく想像できなかった.理学療法士という職業に巡り合わなければ,臨床検査技師か診療放射線技師になっていたと思う.
三十数年前に理学療法士になったときは,今の若い理学療法士と同じように,早く一人前の理学療法士になれるよう自己研鑽に励んだ.入職した当時は一人職場の理学療法士も多く,理学療法士がまったく在籍していない施設も数多くあった.幸いなことに,私は先輩の理学療法士にも恵まれ多くのことを教えていただいた.しかし,当時の看護師も含めた他職種の認識は,「リハビリテーションって何」,「理学療法士って何をする人,何ができるの」という程度であった.「理学療法の専門性」を啓発する必要があった時代では当然かもしれないが,リハビリテーションの用語や考え方などを院内に徐々に広めていくこととなった.他職種が知らない言葉を使うこと(教えること)が,一つの教育となっていた時期もあったと思う.また,そのような言葉を使えるようになることが「理学療法の専門性」を高めることだと思っていた.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.