特集1 精神疾患の治療動向2013
双極性障害―混迷する気分障害の診断・治療。うつ病との見分けと薬についてきちんと知っておきたい。
芝 伸太郎
1
1もみじケ丘病院・精神科
pp.6-11
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101194
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2000年前からあった双極性障害という概念
軽躁病相・躁病相とうつ病相とが交互に(ときには同時に)出現し、患者さんの日常生活が大きな支障を被るのが、双極性障害です。軽躁・躁病相では気分高揚、多弁、多動、観念奔逸、易怒性、衝動性などが、うつ病相では抑うつ気分、意欲低下、食欲低下、易疲労性、興味や関心の喪失、希死念慮などが認められるのは周知の通りです。
昨年寄稿させていただいた論文(本誌2012年3月号6ページ~掲載)には、DSM-Ⅳの診断基準を載せましたので、今回は割愛します。診断項目をじっと眺めて1つひとつ指を折りながら数え上げて診断をおこなうなどということを、現場で実践している精神科医は少数派でしかありません。あの類の操作的診断基準は、「おおまかに」頭に入っていればそれで十分です。看護職の方々もそれは同じです。
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